Dr. Fujita のお話

 

歯周病
私たちも、40歳をこえ歯周病の年齢になりました。歯周病は、予防が大切です。
歯周病を予防する最もいい方法は、3、4ヶ月に一度、歯科医院に行き 歯の清掃(専門用語でPMTC)をしてもらうことです。 もちろん、正しい磨き方も教わって下さいね。 喫煙は、もちろん大敵です。
つまり、歯石になる前の段階で歯垢(最近ではバイオフィルムと言います)を 歯と歯ぐきの隙間(ポケット)から取り除いてしまうのです。 歯石になってしまえば、なかなか取り除くのが大変で、取るときに痛みや 違和感、除去後も「しみる」ことがあります。

歯周病になってしまった場合ですが、歯周病は初期、中等度、重度の大きく 3つに分類されます。これは、レントゲンで歯の植わっている骨の吸収の程度 によって分けるのです。 初期の場合、その中でも骨の吸収が無い歯肉炎の場合は、ブラッシングだけでOKで す。
ただ、歯石が付いている場合は、歯科医院で軽く取ってもらう方が良いと思います。 骨の吸収が少しある場合、たぶん私たちの多くがここに当てはまると思います。 正しい歯ブラシの方法をまず歯科医院で教えてもらって下さい。そして、 最初は、歯石を取るとき少し痛みますが、ここはちょっと我慢して取ってもらい あとは3、4ヶ月に一度、歯科医院に行き歯の清掃をしてもらえばバッチリです。 歯の清掃(バイオフィルムの除去)は、楽ですよ。 中等度、重度の場合、特に、出血がひどい場合や膿が出る場合は、自分で治す のは無理だと思います。一所懸命、磨いていても力の入れ方や磨くところを間違 えれば、歯の根の部分がすり減り知覚過敏をおこしてしまいます。 50歳から60歳にかけて、平均7本ぐらいの歯を失います。 定期健診に行っている人は、失う本数が10分1になるというデ−タがあります。 電動歯ブラシですが、私も朝使っています。 sonicare という音波歯ブラシです。これは、電動ブラシとしてはお勧めで す。
でも、中等度以上の歯周病には、やはり歯間ブラシの併用が必要です。 歯間ブラシも多くのサイズがあり、自分に適したサイズを歯科医院で選んでもらう ことが必要になります。 イオン歯ブラシですが、これは以前からありますが、私たちの読む専門雑誌や 研究誌には取り上げられたことはありません。よって、効果の程はわかりません が、歯垢はバイオフィルムと最近呼ばれ、私たち歯科医が思っていた以上に強固 に歯面に付着しており、菌同士も強固に手を取り合っているようです。 よって薬物の効果もまず期待できないと言われています。 イオンの力で取れるとはあまり思えない・・・。

「歯医者さんに行かなくていいのなら、何にでもすがりたいです。」 この気持ちはよくわかります。でも、歯周病は、自分一人では戦えないのです。 また、歯科医院に行ったから治るものではありません。
歯周病は、糖尿病とかと同じく慢性疾患です。患者さんと歯科医、衛生士が 協力して立ち向かっていく疾患と理解して下さい。

 


 

明るい診察室。ブースカに見守られて、リラックスリラックス。